ショパン:ピアノソナタ第２番≪葬送行進曲付き≫、第３番、他

ショパン:ピアノソナタ第２番≪葬送行進曲付き≫、第３番、他

ショパン ①ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 ②ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 ③アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調 ④スケルツォ第２番変ロ短調 マルタ・アルゲリッチ（ピアノ） 録音：1967年1月②ミュンヘン 1974年7月①③④ミュンヘン　 1965年のショパン・コンクール優勝から2年後と7年後に録音されたショパン作品集。力強いタッチや、鋭い閃きと豊かな感性を存分に発揮して歌い上げるその音楽は、まさにアルゲリッチならではの強烈な個性を発散し、その魅力は聴く者を捉えて離さない。 様々な意見はあろうかとも思うが、アルゲリッチこそは史上最高の女流ピアニスト。ショパン国際コンクールの覇者としてめきめきと頭角をあらわしつつあったアルゲリッチによる圧倒的なピアニズムを堪能することできる。アルゲリッチのショパンは、いわゆる「ピアノの詩人」と称されたショパン的な演奏とは言えない。持ち前の卓越した技量をベースとして、強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまでの桁外れの表現力の幅広さを駆使しつつ、変幻自在のテンポ設定やアッチェレランドなどを織り交ぜて、自由奔放で即興的とも言うべき豪演を展開している。ドラマティックな演奏は、他のピアニストのショパンの演奏とは一味もふた味も異なっているが、それでいて各フレーズの端々からは豊かな情感が溢れ出しており、必ずしも激情一辺倒の演奏に陥っていない。そして、アルゲリッチのピアノ演奏が素晴らしいのは、これだけ自由奔放な演奏を展開しても、いささかも格調の高さを失うことがなく、気高い芸術性を保持しているということであり、とかく感傷的で陳腐なロマンティシズムに陥りがちなショパン演奏に、ある種の革新的な新風を吹き込んだと言えるのではないだろうか。 #アルゲリッチ #ショパン #ショパン・ピアノソナタ #ショパンコンクール

ショパン:ピアノソナタ第２番≪葬送行進曲付き≫、第３番、他